歯が黄ばむのはなぜ?歯の着色を防ぐための歯磨き方法と飲食習慣を解説
2025/08/20

こんにちは、綾瀬の歯医者、新井歯科医院です。
毎日しっかりと歯磨きをしているにもかかわらず、歯の黄ばみが気になるという方は少なくありません。
歯の色は私たちの第一印象を大きく左右するため、ホワイトニングを受けることを検討している方もいるかと思います。
ホワイトニングは歯を白くする方法としてメリットがありますが、毎日の歯磨きの方法や食事の習慣に気を付けることも、歯の白さを保つためには大切です。
今回は、歯が黄ばむ主な原因と歯の着色を防ぐための具体的な歯磨き方法や飲食習慣について解説します。
歯の黄ばみの原因
たばこ

歯の黄ばみの主要な原因の一つに、たばこがあります。
たばこに含まれるタールが歯に着色することが、その原因です。
タールは粘着性が高く、歯の表面に付着しやすいという特徴を持っており、たばこを吸った後すぐに歯磨きをすればある程度除去できますが、時間がたつと歯にこびりついてしまい、歯磨きではなかなか取り除けなくなります。
また、たばこが唾液の分泌量を減少させて口腔内の自浄作用を低下させることも、歯の黄ばみを助長する原因です。
飲食物

歯に着色しやすい飲食物としては、コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなどがあります。
これらに含まれるカテキンをはじめとしたポリフェノール成分が、歯の表面に付着して黄ばみを引き起こすのがその原因です。
ポリフェノールは抗酸化作用を持ち、健康に良いとされている一方で、歯のエナメル質を覆うペリクルと結合することで、ステインと呼ばれる着色汚れを形成します。
日常的にこれらの飲食物を摂取している場合、歯は黄ばみやすくなります。
遺伝

日本人の多くは、クリーム色に近い歯の色をしています。
歯は黄色い象牙質と、それを覆う白く半透明のエナメル質で構成されていますが、エナメル質が薄いと象牙質の色がより透けて見えるため、黄ばみが目立ちやすくなります。
欧米人と比較すると、日本人はエナメル質が薄いため、生まれつき歯が黄ばんで見えることがあります。
加齢

若い頃には気にならなかった黄ばみが、年齢とともに気になってくることがあります。
これは、歯の内部にある黄色い象牙質が透けて見えるようになったためです。
また、長年にわたって蓄積された飲食物の色素が歯に染み込むことで、黄ばみが目立つようになっている可能性もあります。
さらに、歯の表面の微細な傷が深くなり、そこに色素が付着することも加齢による黄ばみの一因です。
薬
昭和40年代に日本で多く使用されていた抗生物質の一種である「テトラサイクリン」は、幼少期に服用すると歯が変色するリスクがあることが知られています。
また、病気や怪我が原因で歯の質が変化し、黄ばみが生じることもあります。
歯の着色を防ぐための4つのポイント
さまざまな原因で黄ばみを引き起こす歯ですが、歯磨き方法や飲食習慣、生活習慣を見直すことで、そのリスクを軽減できます。
それぞれを詳しく解説します。
正しい歯磨きの方法

自分に合った歯ブラシを選ぶ
毎日の歯磨きは重要なポイントです。まずは、自分に合った歯ブラシを選ぶことから始めましょう。
歯ぐきや歯に優しいやわらかめの毛で、コンパクトなヘッドのものを選ぶことで、口の中の隅々まで磨きやすくなります。
正しい歯磨き法を身に着ける
歯ブラシを歯ぐきに対して45度の角度で当て、軽い力で小刻みに動かして磨くと、汚れを落としやすくなります。
歯と歯ぐきの境界や歯の裏側も忘れずに磨くよう心がけてください。
強い力で磨くと歯ぐきやエナメル質を傷つけてしまうことがあるので、優しく丁寧に行いましょう。
ホワイトニング作用のある歯磨き粉を選ぶ
ホワイトニング作用のあるものや、着色を防ぐ成分が含まれている歯磨き粉を選ぶことで、歯の白さを保ちやすくなります。
研磨剤が多く含まれているものは歯を傷つけてしまうことがあるので、含まれていないものやその量が少ないものを選ぶようにしましょう。
食事習慣

着色しやすい飲食物を控える
歯の白さをできるだけ保ちたいと考えている場合には、コーヒーや紅茶、赤ワイン、カレーなどの着色しやすい飲食物は控えるか、摂取後の早いタイミングで歯を磨くように心がけましょう。
ストローを使い、歯への直接的な接触を避けることも、着色を抑えることにつながります。
飲食後に口をゆすぐ・水を飲む
飲食後にすぐに口をゆすいだり、水を飲んだりすることでも、色素の沈着を抑えられます。
特に、酸性の飲み物を摂取した後は、一時的に口内を中和するためにも水を飲むと良いでしょう。
また、りんごやニンジン、セロリのような食材は、かむことで唾液の分泌を促すため、口内の自浄作用を高めてくれます。
生活習慣

禁煙する
たばこを吸っている方は、煙に含まれる成分により、歯が黄ばんでしまいます。
また、たばこは唾液の分泌を抑制し、さらに歯にタールが蓄積する原因となります。
着色を防ぐためには、禁煙をすることがとても重要です。
鼻呼吸を心がける
口呼吸をしていると口腔内が乾燥し、歯の着色が起こりやすくなります。
無意識のうちに口呼吸をしている場合や寝ている間に口呼吸をしている場合が多いため、意識的に鼻呼吸を行ったり口呼吸を防止するテープを使ったりするといいでしょう。
定期的に運動する
定期的に運動をすることは、健康維持に欠かせません。
運動によって血行が促進され、歯ぐきの健康が保たれやすくなるほか、唾液の分泌も促進されます。
歯科医院での定期的なクリーニング
どれだけセルフケアを行っていても、着色をゼロにするのは困難です。
歯科医院で定期的にクリーニングを受けることで、着色を防ぎましょう。
着色を防ぐ歯科医院のクリーニング・ホワイトニング

PMTC
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)は、歯の表面に付着した着色汚れや黄ばみを取り除く施術です。
専門的な器具を使用して歯面清掃を行うため、治療後は歯の表面が滑らかになります。
着色除去だけでなく、虫歯や歯周病の予防にもつながります。
エアフロー
エアフローは、微粒子パウダーと水をジェット噴流で歯に吹き付け、頑固な着色汚れを落とす施術です。
エアフローを利用することで、通常のクリーニングでは除去しにくい歯と歯の間や歯周ポケットの汚れも除去できます。
ホワイトニング
ホワイトニングには、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」と、自宅で行う「ホームホワイトニング」の2種類があります。
歯石を除去してからホワイトニングを受けると、色ムラが出にくくなります。
まとめ
歯を白く保つためには、日々のケアと食事、生活習慣の見直しが大切です。
しかし、セルフケアだけでは限界がある場合も多いため、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることも検討してみてください。
美しく健康な歯を手に入れることで、充実した毎日を送りましょう。