精度を重視した詰め物や被せ物
- 患者さんのお口の中で型取り[診療室]
- 石膏を流入して模型作製[歯科技工室]
- ワックスアップ(ロウで詰め物・被せ物になる部分を作製)
- 鋳造(熱で溶かした金属を型に流し込む)
- 研磨(出来上がった詰め物・被せ物の表面を綺麗に磨く)
- 完成した詰め物・被せ物を患者さんに装着[診療室]

こんにちは、歯科技工士のあらい かおりです。
私自身、歯科技工士学校を卒業し約10年間、歯科技工所(複数の歯科医院の詰め物や被せ物などをまとめて製作する所)で勤務しておりましたが、作業模型のみを通じての仕事のため、もっと患者様の考えや意見に触れながら作製したいと考えておりました。
最近では院内に歯科技工室を設置している医院は非常にまれとなっています。
そんな中、あえて当医院が歯科技工室を設置するのには歯科技工士でなくてはわからないメリットがあるからなのです。
高倍率の拡大鏡を使用

当医院では詰め物や被せ物の精度を重視し、拡大鏡を使用して作業しております。
削った箇所と詰め物・被せ物との境目が合っていないと、またそこから虫歯になり、トラブルの原因となります。
そういったトラブルを無くすためにも拡大鏡を用いての作業はとても大切です。
時間短縮のために拡大鏡を使用しないで作業されている歯科技工所が今でもたくさんあるのもまた実状です。
小ロット生産による鋳造精度
鋳造(ちゅうぞう)とは熱で溶かした金属を型に流し込む作業をいいます。
歯科技工所では何軒もの歯科医院から預かった多量の模型を一気にまとめて鋳造するため、金属が細部まで流れ込まず詰め物・被せ物の精度が落ちる場合があります。
当医院は小ロット(少単位)で鋳造しているため、鋳造ミスが起きにくく精度を重視した詰め物や被せ物が出来上がってきます。
豆知識:詰め物や被せ物ができるまでの流れ
保険・自費ともに当院専属の技工士が時間をかけて丁寧に作製

技工所では当院専属の技工士が採算性の高い、自費の技工物(ハイブリッド系やセラミック系など)を作製しております。
一方、保険の詰め物や被せ物の技工費は安価で採算が取れにくいため、経験の浅い技工士が受け持っている・・というのが実状なのです。
当院ではこれらのしがらみがありませんので
「保険・自費にかかわらず丁寧に行いたい。」
「患者さんに良くなっていただきたい。」
という方針を誰にも遠慮せず貫くことができます。
結果として保険・自費ともに精度を重視した詰め物・被せ物を提供することができます。
一例として、精度の低い詰め物や被せ物は医院で付ける時に噛み合わせの調整等にとても時間がかかることがあります。
当医院では患者様に詰め物・被せ物をお付けする際には調整にほとんど時間がかかりません。(ご自身で実感されてみてください。)
お寿司屋さんに例えると・・・
私はこれらの問題をよく、お寿司屋さんに例えることがあります。
回っているお寿司屋さんと回っていないお寿司屋さんです。
技工所などで大量生産されている技工物はいわば回転寿司屋と同じく大量にベルトコンベア式に作製されています。

皆さんは今まで回転寿司屋さんで、寿司ネタがシャリから落ちていたり、巻き物が半開きになっていたりなどご覧になったことはないでしょうか。
歯科技工の世界でも同じことが言えるのです。
また、技工所でも一つ一つしっかり時間をかけて作製できれば良いのですが、それがなかなか実現しないのは厳しい技工士(技工所)事情にあります。
例えば保険の詰め物(いわゆる銀歯)は低コストの為、技工所の技工士さんが保険の銀歯の作製で生活していく為には最低一日50個以上もの量を作製しなくてはなりません。
一日50個以上とは現実的には到底不可能なノルマです。

当医院のように個人技工で作製するものは、回っていないお寿司屋さんと同じで保険・自費ともに一つずつ丁寧に作製できます。
また、お寿司屋さんはお店によって料金が違ってきますが、保険の詰め物・被せ物は日本全国どこの歯科医院でも料金は一律ですので
特にご自身のお身体のことですし、保険のものでも丁寧に作製している医院のほうが得策ではないかと思います。
今後も「縁の下の力持ち」としてがんばります。