チョコレートと甘味痛
2025/03/25
甘いもので歯が痛くなる理由
甘味痛
甘いものを食べた時に歯が痛んだり、しみたりすることを甘味痛という。この症状は、虫歯がある証拠になり、虫歯特有の症状で、チョコやアイスなどを食べた時に起こりやすい。
歯の表面にはエナメル質という硬い殻のようなものがある。虫歯菌は口の中の糖をエサにして酸を出し、虫歯菌の出す酸で歯の表面のエナメル質が溶かされると、その更に内部にある象牙質が露出してしまう。象牙質に開いている神経につながる細かい穴を象牙細管(ぞうげさいかん)と言い、この中には液体が入っている。
甘いものを食べると、唾液に溶けて砂糖水のような状態になる。それが象牙細管に触れてしまうと、浸透圧の関係で、濃い濃度の溶液と薄い濃度の溶液が接し、同じ濃度にするために薄い方から濃い方へと水分が移動する。
痛みで気づく進行レベル
日常生活で痛みが出てくるレベルは?
エナメル質を進行して象牙質に達した虫歯で、治療が必要になる「C2」。症状としては、冷たいもので痛み(冷水痛)を感じ、甘いものを口に入れた時にも痛み (甘味痛)を感じる。虫歯の深さによっては熱いものでも痛み(温熱痛)を感じる。このような状況では、外部の刺激が歯髄に伝わりやすくなっているため、この頃から虫歯かもしれないと認識。この時点では、すでにC2中程度に進行していることがあるため、歯科医院での治療が必要になる。
冷水痛:冷たい水分や食べ物の摂取により歯髄が刺激されてしみるように痛む。
甘味痛:甘い食べ物を食べた時、象牙質が露出した部分に刺激が伝わり、痛みを感じる。
温熱痛:熱い飲み物を飲むと、充血して炎症反応を起こし、循環が悪くなっていた歯髄の血流が良くなり痛みが発生。冷やすと痛みが緩和する事もある。
知覚過敏
歯が刺激に敏感になっている状態
知覚過敏とは、歯ブラシの毛先が触れた時、冷たい飲食物や甘い物を食べた時、風にあたった時などに歯に感じる一時的な痛みで、特に虫歯や歯の神経の炎症などがない場合にみられる症状をいう。
症状と特徴
・甘い物を食べると歯が痛い。
・冷たい物・熱い物を食べると歯が痛い。
・歯磨きするときに痛む。
・痛みは数秒程度で治まる。
知覚過敏について詳しくはこちら→ キーン!と痛い 知覚過敏のアレコレ
チョコレートは本当に悪!?
原材料の砂糖の量に注目
砂糖が多く甘みが強いもの、カカオがふんだんに使われ、砂糖控えめのものなど様々。中には砂糖不使用や虫歯になりにくい「キシリトール」が甘味料として使われているチョコレートも販売されている。
最近の研究によると、チョコレートやココアなどに含まれるカカオポリフェノールは虫歯になりにくいと報告されている。
虫歯になりやすい生活習慣を避ける
甘いもの以外の虫歯の原因として「虫歯菌」「時間」「歯質」 がある。飲食をするたびに歯の表面が少し溶ける「脱灰」という状態になるが、唾液の働きにより溶けた部分が修復される「再石灰化」が行われる。